おとなの絵本クラブ

大人目線で楽しむ絵本や児童書の記録。調布市・つつじヶ丘の古民家「もえぎ家」を拠点に、絵本を読み合い、語り合う会を開催しています。

大人になるって……?

「どうして大人って、悲しくても泣かないの?」 昨日、小学校からの帰り道、3年生の長男に聞かれた。数年前に死んでしまった祖父母の飼い犬のことを急に思い出して悲しくなったのだ。 「悲しくても、しくしく涙がこぼれるくらいなの? ぼくは我慢しても溢れ…

うごめく季節

どうもむずむずする、この季節。 「あのお花かわいい! お母さんはどのお花が好き?」 菜の花、ツツジ、チューリップ……道端を彩る花々を見つけては、子どもとの会話に心が踊る。 「おうちに連れて帰る〜!」 アリ、テントウムシ、チョウ……土の下から出てきた…

田舎に心惹かれる都会っ子家族

時におふざけが過ぎて、周りから「大変だね」なんて言われることもある8歳の息子。それでも小さい頃は、本当に大人しくて、ぽや〜っとしている子どもだった。外で遊ぶよりも、家の中で絵を描いたりおままごとをするのが好き。だから超インドア派の子なんだと…

見送る、守る、繋いでいく

「見送りに行かなかったら、絶対に後悔するから!」 電話の向こうにいる母に向かって、私は言った。いつの間にか目には涙も溢れていた。母の前で泣くなんて何年ぶりだろうか。 数日前、母方の祖父が亡くなった。葬儀があると言うのに、母は、私がまだ産後間…

今日のお月様はどんな顔? #5 月にまつわる絵本

お月様とお話ができたら…考えるだけでなんだかにやけてしまう。今日のお月様はどんな顔をしているんだろう? どんなことを考えているんだろう? そんな想像を膨らませてほっこりした第5回目の「おとなの絵本クラブ」。「月」にまつわる絵本を探してみたら、…

月の不思議な力を借りて……?

「あれっ? 月の欠けた部分もうっすら見えてるよ!月のみちかけ屋さんが、布で光を隠してるのかな?」 「今日は満月だからお月見だね〜! お団子たべなきゃ〜!」(えっとー……十五夜じゃないんだけどね……) 「あっ、ウサギがいた! 餅つきしてるよ〜!」 絵…

何のために、誰のためにはたらくのか

「矛盾には気付いてる。本当にやりたいことではない。でもお金も必要だし…」 1人目の出産後、1年ほど経って職場復帰した時の、複雑な心のうち。 当時の私は日々、葛藤していた。可愛い子どもを置いてまでやりたいことなのか? 慌ただしく家を飛び出して保育…

癖になる、へんてこがえる

先日行ったちひろ美術館で同時開催されていた赤羽末吉・中国とモンゴルの大地の原画展。この日、原画の力強さや雄大さよりも印象に残ってしまった、「おへそがえる・ごん」という赤羽末吉さんの絵本。 おへそのぼたんをおすと、口からぱくぱくぱくと雲をはく…

心で、五感で感じる 〜#4あったか〜くなる絵本〜

あったか〜い気持ちになるのは、どんな時ですか? 美味しそうなご飯の匂いが漂ってきた時。 懐かしい風景を目にしたり、思い出に浸ったりしている時。 子どもや動物の微笑ましい姿を見た時。 美しいものを見た時。 あったか〜いお布団に包まれている時…。 そ…

おおきな人たちから、ちいさな人たちへ

生まれた時、片手で抱っこできるくらい小さかった息子の頭は、もう母の胸の下。毎日見ているのに「いつの間にこんなに大きくなったの〜?」と言っては、抱きしめてしまう。その変化を確かめるように。いつまでこうやってギュッとさせてくれるんだろう? 憎ら…

おにぎり修行

おにぎりを作るのって、なんて難しいんだろう! たかがおにぎり、されどおにぎり。簡単なようで難しい。 お米の炊き加減、塩加減、にぎり加減、具のバランス、海苔の巻き加減…… どれを外してもダメ。 「なんか味がうすーい」 「今日、味こくない?」 「なか…

「まどからおくりもの」のお礼はビール!

早いものでもう12月。昨晩はクリスマスツリーを出して、飾り付け。折り紙やアイロンビーズで息子が作ったオーナメント達。1年に1度しかツリーの箱を開けないから、作ったことさえすっかり忘れている。そういえば、娘が生まれた直後は、あまり外出できず、こ…

理想と現実の間で…ああ悩ましき素晴らしき母なる人生

「あぁ、私ってダメな母親だな〜…」 子どもが生まれてから今まで何度そう思っただろう。 はじめて子どもが生まれた8年前は、ただただ幸せだった。子ども好きというわけではないし、すごく望んで授かったというよりは、思いがけず訪れた妊娠。その、心の準備…

寒くてもポカポカの術

先日ちひろ美術館・東京へ初めて行きました。現在の展示テーマは「冬のしつらえ」。 パンフレットの切り抜きをノートに貼って、メモを残してしまった後の写真ですが… いわさきちひろさんの絵は、絵のタッチが少し苦手だったのだけれど、原画を見たら一気に好…

雪が溶けるのは当たり前?

11月にして、まさかの雪。「明日、降るかな〜」「いや、この寒さじゃ降らないでしょ」なんて言ってたら、朝になって雨が雪に変わってビックリ。 『ゆきのひ』 エズラ・ジャック・キーツ 文・絵 / きじまはじめ 訳 偕成社 子どもの頃、雪が降るのが嬉しかった…

きょうだい喧嘩

『にいさんといもうと』 シャーロット・ゾロトウ 作 / メアリ・チャルマーズ 絵 / 矢川澄子 訳 福音館書店 きょうだいって不思議だ。同じ両親から生まれてきているのに、顔も性格も全然違う。一人っ子で育った私からすると、兄弟げんかも不思議でならない。…

子どもの心をゆさぶる絵本探しの旅

「どうして一緒に絵本を読んでくれなくなっちゃったの?」 ここ最近、寝る前に息子にぼやく時間が多くなっていた。「もっともっと(読んで)!」とせがむ娘(3歳)に対し、隣で別の本に集中している息子(7歳)。うーん、家族バラバラな感じが、どうにも切な…

病気の子がうらやましい?

8歳の兄が「おなかいたい…」というと、連動するように「おなかいたい…」と言う3歳の妹。なんでも兄の真似をしたがる子だし、「お兄ちゃんもお休みなら私も!」っていう、いつものパターンかな。そう思っていたら、今朝は本当に調子が悪かったらしい。お腹か…

寒い日はいそいそと。

風が冷たくなってきたなーと思うと、せっせと作りたくなる。豚汁、けんちん汁、粕汁、クリームシチュー、ボルシチ…具がたっぷり入って、それだけで一品になるような汁物たち。 特に豚汁は夫の大好物とあって、しょっちゅう作る。起きた時に、寒いなぁ食べた…

ほんとうに私はいい母親かしら。

更新が滞っているうちに、すっかり寒くなってしまいました。いつの間にか秋を通り越して、すでに冬のような寒さ。お布団にもぐりこんだ子ども達の手足の、まあ冷たいこと。 子ども達は、私が読む絵本を眺めながら、冷えた足を私の足の間に突っ込んでくる。そ…

夏なんて、大嫌いだったのに。 〜#3 夏に読みたい絵本〜

じりじりと照りつける太陽。 真っ青な空に、入道雲。大きなひまわり。セミの声。 「あぁまたやってきた……」と思ってしまうこの季節。 じっとりベタベタしたこの空気が苦手で、夏は大嫌いだった。 なのに。なのに。 夏のイメージを体いっぱいに取り込んでいた…

ここではないどこかではなく、ここで生きる。〜「ねずみ女房」を読んで〜

ここではない、どこかへ……。 自分の生きる場所は、もっと違うところにあるのではないか……。 子どもが生まれて、子どものお世話や家事に追われている時、そんな考えがふっと心に湧いてきたことがあった。1日中、授乳にオムツ替え、家族の食事の支度、エンド…

扉の向こうには…… 〜#1 よし、やってみよう!〜

この扉の向こうには、どんな世界が待っているのだろうか。ドキドキ。ワクワク。扉を開ければ別世界が待っている。 絵本の扉を開く瞬間は、いつもそんな気持ちで臨みたい。親子で一緒に扉の向こうに飛び込んで行けたら、家にいながらプチ旅行気分。きっと最高…

もうすぐ夏本番!第3回のテーマは「夏に読みたい絵本」(7/13(水))

夏と言えば、海・水遊び・流しそうめん・虫とり・スイカ・アイス・ひまわり……何を思い浮かべますか? 「おとなの絵本クラブ」の第3回のテーマは、「夏に読みたい絵本」。 うだるように暑くたって、「夏ってやっぱりいいね」って思いたいから。絵本で涼やかに…

心の傘を開こう 〜#2 改めて読みたい思い出の絵本〜

「20歳になったら、やりたいことを見つけて邁進しているはず」「24歳になったら、仕事がバリバリできる女性になっているはず」 やりたいことが分からず悩む高校生の頃や、仕事に慣れずにもがく新社会人頃の私は、そんな風に考えていた。 でも、人生は「◯歳に…

おとなの絵本クラブとは

「おとなの絵本クラブ」とは、 持ち寄った絵本を、大人同士で読み合い、語り合う会です。 7歳(男の子)と2歳(女の子)の母が主催しています。 絵本の世界にじっくり浸り、いろいろな人の視点に触れているうちに、 びっくりするほど、絵本の楽しみ方が広が…