雪が溶けるのは当たり前?
11月にして、まさかの雪。「明日、降るかな〜」「いや、この寒さじゃ降らないでしょ」なんて言ってたら、朝になって雨が雪に変わってビックリ。
『ゆきのひ』 エズラ・ジャック・キーツ 文・絵 / きじまはじめ 訳 偕成社
子どもの頃、雪が降るのが嬉しかった。ふわふわの雪に足を踏み入れるあの感触。まだ誰も足を踏み入れていない真っ白な雪に、自分だけの足跡をつけたときの、誇らしさみたいなもの。一人で雪遊びも楽しいし、友達との雪合戦や雪だるま作りも楽しい。寒さなんておかまいなし。
そんな「ゆきのひ」の子どもの、喜びや楽しみが描かれたこの絵本。雪の絵本といえば、真っ白なページが多い印象だけれど、この絵本はとにかく色彩の鮮やかさが印象的。ページをめくるのもワクワクするほど。雪の白さが引き立って見える。
はじめは「色がきれい!」と、この絵本を楽しんでいた7歳の息子。何度か読むうちに、あるシーンで呟いた言葉に悲しくなったことがある。それは、主人公のピーターが、明日遊ぼうとポケットにしまっておいたゆきだんごが溶けて悲しんでいるシーン。
「バッカじゃん!雪が溶けるのなんて、当たり前じゃん」
当たり前…か。この頃、息子の口からよく出てくる言葉だ。小さい頃には、あらゆることに驚き、感動していたはずなのにね。知識や経験が増えるうちに、当たり前でなくなることが増えていく。でも「なんでこうなるんだろう?すごいな。おもしろいな」と思う子どもの気持ちは、持ち続けていてほしいなと思う。そう思いながら、子どもの成長にともない「そんなの当たり前でしょ、もう分かるでしょ」という態度が増えている自分に気づく。親がそれじゃあ、子どももそうなっちゃうじゃん、と自分にツッコミ。
なんでも当たり前と思わずに、子どもと一緒に驚いたり感動したり、「すごいね。なんでだろうね」って一緒に考える。そんな親でいたいな。そのほうがきっと、親も楽しい。世の中、当たり前ばかりになっちゃったら、つまんないよね。
次回の「おとなの絵本クラブ」は12/8(木) 10:00〜
テーマは「あったか〜くなる」絵本。「ゆきのひ」をはじめ、冬ならではの絵本も持参しようかな〜。お外が寒くたって、火鉢を囲んで絵本を読んで、あったかランチを食べれば身も心もホッカホカ!
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